引っ張られていく。


潔く柔く 1 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 1 (マーガレットコミックス)

近しい人の死に。


色々な人がオススメしていたので
8巻くらいまで読んでみたんだけど
恋愛漫画なのに暗くてビックリ仰天した。
っていうか、死んじゃうのとかダメだ…だめだよ!
「死」ってさ、すっげぇパワーを持っていて
それって「生」なんかよかすごいんだから!!
みんな引っ張られる。何もかもがそこに収束していく。
亡くなった人を知っている人も、知らない人も。


他の支店の事務員さんの旦那さんが少し前に亡くなって
事務員さん(Aさん)と旦那さんは普段から仲が悪くて
会うたびにいっつも旦那さんへの愚痴を聞いてた。
ギャンブル好きで酒乱で、稼いでも家に一銭も入れない!
と、そりゃもう毎回怒髪天を突く勢いで愚痴り、
Aさんの苦労を知ってか、お子さん達も旦那さんを避けてた。
母子の仲はすっごくいいのに、旦那さんだけ遠い。
それでいいの、うちは!早く離婚したい!
ってそれが口癖だったのに、旦那さんが亡くなったら
切なそうに言った。


「やっぱりね、どんなに嫌いでも
 死に別れはキツイね。
 生きてて別れるなら、憎んだままだけど
 死に別れは、色々なものが残る。
 旦那の事は思い出しても憎々しいけどさー」


それ聞いた時、泣きそうになった。


その通りなんだと思う。
死んじゃった人には何も言えないし何も聞けない。
あの時どうだったのとか、ああだったのとか、
本当はこう思っていたとか、思ってなかったとか、
気になっていた事とか全部、全部。
生きている人が永遠に抱えたままになる。
それってすっごい後悔で、一生解消されない。
特にこの作品みたいに思春期頃なんか相当だよ!相当!!
そらカンナもああなるっつーの!!!!
死んじゃった人には絶対に勝てないんだもん。
そして生きてる人よか、死んでる人の方が強烈なんだよ。
それがまして自分のせいだと思ったら、
いっそ殺してくれればいいのに!って思う。


だから、言いたい事とか、したい事とか
自分が後悔するような事は残しちゃダメだ。
いつも全力で、好きだとか嫌いだとか言わないと!


あーもーすっげーいい作品だと思うけど、超胸が痛い。