下世話な話。

土曜日、義妹と出かけた先で遭遇した
ある既婚男性と未婚女子の駆け引きの話。
本気で下世話な話題(聞き耳的な意味含む)ですので、閲覧注意。


いきつけの焼鳥屋で義妹と飲んでいた時の事。
ふと、二人の間に落ちた沈黙の間に、
隣のテーブルに座っていたカップルの会話が飛び込んできた。


女「5年ぶりとか、本当に久しぶりー」
男「うん、そうだね」
女「なんか、あの頃と変わった〜」
男「そうだよね、俺、結婚とかしたし」
女「だよねー勿体ない事したーw」


義妹と顔を見合わせて、ふっと笑う。


私「若いね」
妹「若いね」
私「私らにはないわな、ああいうの」
妹「ないねー、っていうかしないねw」


ちなみに席配置はこんな感じ。


男 つ 妹
 ̄ い  ̄
机 た 机
_ て _  
女 荷物 私


ついたてと言っても机の高さ+5センチ程度で顔なんか丸見え状態。
私からは男の、妹から女の表情がそれぞれ丸見え。
私たちより先に見せに入っていたので男の顔は真っ赤だった。
そして彼曰く結婚したと言う通り、左手にシンプルな指輪。
確認した所、女子は指輪の類はしておらず、
結婚した彼に対し「惜しい事した」と何度も念を押していた。
1日歩き回り、それなりに会話も重ねた我々は
酒を飲みつつ、なんとなくその会話に耳を傾ける。
聞きたくなくても、同じテーブルで飲んでるくらいの近さなので
否応なしに耳に入ってくる訳なのだけれども…。
会話の流れから同じ会社に勤めているというのが分かった。
しかし働いている部署若しくは支店が違うらしく、ほぼ会わないようだ。
男は海外勤務していた様でその話題に流れていく。


女「海外ってどんな感じ?寂しい?」
男「寂しいよー。友達も知り合いもいないしさー」
女「えー?○○だったよねぇ?会いに行けば良かったー!」
男「来てくれたら良かったのに、すげー寂しかったよ。」
女「その時、会いに行ってたら変わってたかな?」
男「そうかもねー…」


女、お前、狙ってたのか?
いや、むしろ、今、狙ってるのか?
少し甘えたような猫なで声で話す女に義妹と顔を見合わせる。
会話は更にそんな感じで続いていき、男がトイレで席を立った。
駅地下複合施設なので店内にトイレはなく、
少し歩いた施設内のトイレへと歩いていく男。


私「どうですか?」
妹「キモチワルイですね」
私「www」
妹「奥さん居るのに、男はバカだね☆」
私「ねー?」


そんな会話が聞こえてるのかどうか知らないが
女は鞄からメイク道具を出すと、マッハでメイク直し。
綺麗にグロスが光った当たりで男が帰還。
入れ替わりに女が席を立つと、今度は男が財布を出し
時刻表で終電を調べ始めた。


さすがに男は帰る気だよねーですよねー^^
奥さんがおうちで待ってるものねー。


同じ既婚者(♀)として何となく安堵し、酒を飲む。
しかし、本当の戦いはここからだったのだ。
女が席に戻ってくると、男は言った。


男「俺、22時○○分が終電だわ」
女「え、マジで?あと1時間くらいだねー」
男「そうだねー」
女「もうちょっと飲めるよね」
男「ああ、うん」


もう既に顔も目も真っ赤な男に酒を追加する女。
こいつww酔わせてやる気かwww?
新しく運ばれた酒をあおる男。


男「なんかさー…」
女「んー?」
男「綺麗になったよねー」


私・妹

  /'           !   ━━┓┃┃ 
-‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、    ┃   ━━━━━━━━ 
ァ   /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 )    ┃               ┃┃┃ 
'   Y  ー==j 〈,,二,゙ !  )    。                  ┛ 
ゝ.  {、  - ,. ヾ "^ }  } ゚ 。 
   )  ,. ‘-,,'   ≦ 三  
ゞ, ∧ヾ  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚ 
'=-/ ヽ゚ 。≧         三 ==- 
/ |ヽ  \-ァ,          ≧=- 。 
  ! \  イレ,、         >三  。゚ ・ ゚ 
  |   >≦`Vヾ        ヾ ≧ 
  〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・

AAばりに本気で吹き出しそうになった我々。
しかしそんな我々の横で、平然とこのやり取りが続く。


女「えぇ〜?そんな事、言われた事ないよぉ?」
男「いや綺麗になったって!」


こ、こんな下手な事言うシーンに出くわすなんて…!!
っていうか今時こんな事いうヤツおるんや…!!
みたいな衝撃が突き抜ける店内の中、
確実に彼らのステージが出来上がっていく。


男「随分、変わったよ…」
女「そりゃ、30になったもん…」
男「うん、綺麗になったよ」
女「だから、そんな事言われないよぉ?」


普段ならとっくに聞き耳なぞ立てずに
けっ!やってられっか!強いお酒をちょうだい!!(@図書館戦争)
って酒をかっくらいながらやさぐれている所。


そうこうしているウチに、決定打を欠いたまま
無情にもラストオーダーの時間になり、会計をして外へ出た。
店の中にはまだあの二人が粘っているが、最早知ったことではない。
我々は静かにトイレへと向い、体裁を整え外へ出た。


そして、目の前にあの二人が。
しかも、女が男の腕に自分の腕を絡めたー!!
そのまま男は女の腰に手を回したー!!
奥さーん!旦那が浮気しそうですよー!!


神様!これは尾行せよって事ですかー!!?
この日の私は色々あって酔っぱらっていたので、
戸惑う義妹を振りきるように追いかけた。
エスカレーターに少し離れて乗り
地上まで出た所で、義妹が言った。


妹「ねぇ、これどこまで追いかけるの?」
私「え?」
妹「あの二人が今日やっちゃうのって、もう予想つくじゃん?」
私「うん」
妹「ホテル入るとこまで追いかけて、我々虚しくなるんじゃね?」
私「…だよねぇ」


人の一言って偉大ですね。
こんなにも冷静になれるんですもの…。
結局、奴らがホテル街へ消えたのか、
お互い別々の帰路に就いたのかはわかりませんが、
我々は前回も行ったスパニッシュバーで終電まで飲みながら
家で待つであろう奥さんを思ったのでありました…。


みなさん、隣人には注意しましょうね☆(私がそれを言うな)